ユニバーサルデザイン

片麻痺の方の自立と尊厳を支える:片手操作に特化したユニバーサルデザイン容器の革新的設計

# 片麻痺の方にも優しい片手操作専用容器の設計思想

片麻痺を抱える方々の日常生活において、化粧品や雑貨、トイレタリー用品などの容器の使いやすさは、自立と尊厳に直結する重要な要素です。私は長年ユニバーサルデザイン容器の開発に携わり、特に片手での操作性を追求してきました。今日は、片麻痺の方々が日常で直面する容器使用の課題と、それを解決するための設計思想について、具体的な観点からお伝えします。

## 操作力の最小化とレバレッジの原則

片麻痺の方が容器を使用する際、最大の障壁となるのが「必要とされる力」です。片手で容器を保持しながら開閉するためには、従来の両手を前提とした設計では困難を極めます。この課題に対し、私たちが採用している「レバレッジの原則」(てこの原理を活用した設計手法)は非常に効果的です。

ポンプ式容器のノズル部分を長くし、指一本の小さな力で大きな動きを生み出せるようにすることで、わずかな力でも確実に内容物を取り出せます。また、フリップキャップ(片手で開けられる蓋)には、親指で容易に開けられる突起をつけ、閉める際には軽く押すだけで密閉できる設計を施しています。ユニバーサルデザイン容器において、この「少ない力で確実に操作できる」という点は最も基本的かつ重要な要素なのです。

## 安定性と滑り止め機能の統合設計

片手操作においては、容器の安定性が操作性を大きく左右します。片麻痺の方が使用する場合、容器を保持しながら操作する必要があるため、手の中で容器が回転したり滑ったりすると使用が困難になります。

私たちが提案するユニバーサルデザイン容器では、容器本体に緩やかな曲線やくびれを設け、手の中で自然と安定する形状を追求しています。さらに、表面には微細な凹凸加工(タクタイル加工)を施し、湿った環境でも滑りにくい素材を使用しています。特に浴室で使用されるシャンプーやボディソープの容器では、この滑り止め機能が重要です。また、底面の形状も平らではなく、僅かに内側に湾曲させることで、置いた状態での安定性と、片手で掴みやすさを両立させています。

## 識別性と直感的操作性の確保

片麻痺の方にとって、複数の容器から目的のものを見分け、正しく操作することも重要な課題です。特に視覚に制約がある場合や、細かい文字が読みにくい高齢の方にとって、容器の識別性は使いやすさの核心部分です。

ユニバーサルデザイン容器において、私たちは色彩コントラストの強化、触覚で識別できる形状の差別化、容器の向きが直感的にわかる非対称デザインなどを積極的に取り入れています。例えば、シャンプーとコンディショナーの容器では、キャップの形状を明確に変え、触るだけで区別できるようにしています。また、開閉方向が一目でわかるよう、矢印などの直感的なサインを大きく表示することで、複雑な説明なしでも使えるデザインを心がけています。

片麻痺の方々の日常をより便利に、より自立的にするためのユニバーサルデザイン容器。それは単なる「バリアフリー」を超え、誰にとっても使いやすく、しかも美しいデザインであるべきだと私は考えています。