防腐剤フリー製品に適した気密性の高い容器構造の重要ポイント
1. エアレス容器システムの採用
エアレス容器システムは、防腐剤フリー製品を長期保存するための最適な選択肢の一つです。この化粧品容器は、内容物を空気に触れさせることなく出すことができる構造になっています。
エアレス容器の主な利点:
・酸化を防ぎ、製品の鮮度を保つ
・細菌の混入を最小限に抑える
・内容物を最後まで無駄なく使い切れる
エアレス容器には様々なタイプがありますが、ポンプ式とピストン式が一般的です。ポンプ式は使いやすさに優れ、ピストン式は内容物の使用効率が高いという特徴があります。製品の粘度や使用頻度に応じて、適切なタイプを選択することが重要です。
また、エアレス容器は再利用が難しいため、環境への配慮が必要です。リサイクル可能な素材を使用したり、詰め替え可能な設計を採用したりすることで、持続可能性を高めることができます。
2. 素材選びと気密性の確保
防腐剤フリー製品の保存には、高い気密性が不可欠です。化粧品容器の素材選びと構造設計が、気密性の確保に大きく影響します。
気密性を高めるための主要ポイント:
・耐久性と化学的安定性に優れた素材の選択
・精密な設計と製造による隙間のない構造
・適切なシール材やガスケットの使用
素材としては、ガラスやアルミニウムが高い気密性を提供します。しかし、これらは重量や破損のリスクがあるため、最近では高機能プラスチックの使用が増えています。例えば、PETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)やPP(ポリプロピレン)などは、軽量で耐久性があり、気密性も確保できる素材です。
また、容器の開閉部分には特に注意が必要です。シリコーンやTPE(熱可塑性エラストマー)などの柔軟な素材を使用したシールを採用することで、開閉時の気密性を高めることができます。
3. UV遮断と酸化防止機能
防腐剤フリー製品は、紫外線や酸化に対して特に敏感です。そのため、化粧品容器には UV遮断と酸化防止の機能が求められます。
UV遮断と酸化防止のための主な方法:
・着色や遮光性のある素材の使用
・多層構造による酸素透過の抑制
・窒素ガス充填などの特殊技術の採用
着色容器は、紫外線を遮断する効果があります。特に、茶色やアンバー色の容器は高いUV遮断効果を持ちます。ただし、製品の色味が見えにくくなるデメリットもあるため、製品特性に応じて選択する必要があります。
多層構造の容器は、酸素の透過を抑制する効果があります。例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)とEVOH(エチレン-ビニルアルコール共重合体)の多層構造は、高い酸素バリア性を持ちます。
さらに高度な酸化防止が必要な場合は、容器内に窒素ガスを充填する方法もあります。これにより、内容物と酸素の接触を最小限に抑えることができます。
以上の3つのポイントを押さえることで、防腐剤フリー製品に適した高気密性の容器を選択・設計することができます。ただし、製品の特性や使用環境、コスト、環境への影響など、多角的な視点から最適な容器を選ぶことが重要です。化粧品容器の選択は、製品の品質と安全性に直結する重要な要素であり、慎重に検討する必要があります。