ユニバーサルデザイン

障害者にも優しい!誰でも使えるユニバーサルデザイン容器の選び方完全ガイド

障害を持つ方でも使いやすい容器の基本設計原則

ユニバーサルデザインの容器を選ぶ際、最も重要なのは「誰もが直感的に使える設計」です。視覚障害のある方にとって、容器の形状や質感で中身を判別できることは日常生活を大きく左右します。例えば、シャンプーとコンディショナーの容器では、一方を角張った形状、もう一方を丸い形状にすることで、触るだけで区別が可能になります。

手指に障害のある方や握力の弱い方には、開閉しやすいキャップ設計が欠かせません。従来のねじ込み式キャップではなく、軽い力で押すだけで開くプッシュ式や、大きめのポンプ式ディスペンサー※1を採用することで、日々のケアがスムーズになります。特に関節リウマチなどで手首の可動域が制限されている方にとって、容器の操作性は生活の質に直結します。

色覚に特性のある方への配慮も重要な要素です。赤と緑の区別が困難な方でも識別しやすいよう、明度※2の差を大きくしたり、模様や文字で区別できるような工夫が必要です。また、認知機能に配慮し、シンプルで分かりやすいラベル表示を心がけることで、使用方法や注意事項を正確に理解してもらえます。

実用的な多機能容器の選び方とポイント

実際に多機能対応容器システムを選ぶ際は、使用場面を具体的にイメージすることが大切です。浴室で使用するトイレタリー用品なら、滑りにくい素材や、濡れた手でも操作しやすい大きめのボタンを備えた容器を選びましょう。視覚障害のある方にとって、容器底面に滑り止め加工があることで、棚からの落下を防げます。

化粧品容器では、一回分の適量が出せる機構が重要です。視覚に頼らずに適切な量を使えるよう、ワンプッシュで決まった量が出るディスペンサータイプや、触覚でわかる目盛り付きの容器が効果的です。特にファンデーションやクリーム類では、出しすぎによる無駄を防ぎ、経済的なメリットも生まれます。

雑貨や小物入れとしての容器システムでは、中身の取り出しやすさに注目してください。手の可動域が限られている方でも、容器の口が大きく開き、中が見やすい透明素材を使用することで、必要なものを素早く見つけられます。また、積み重ね可能な設計により、限られたスペースを有効活用できるのも重要な特徴です。

安全性と持続可能性を両立する容器選択

障害を持つ方にとって、容器の安全性は特に重要な検討項目です。割れにくい素材を選ぶことはもちろん、角が丸く処理されていて怪我のリスクが少ない設計を重視しましょう。手の震えがある方や、運動機能に制限のある方でも安心して使えるよう、軽量でありながら安定性のある容器が理想的です。

誤飲防止機能も見逃せないポイントです。認知症の方や小さなお子さんがいる家庭では、チャイルドロック※3機能付きの容器を選ぶことで事故を防げます。しかし、必要な時には適切に開けられるよう、操作方法が複雑すぎない設計バランスが重要です。

環境への配慮と経済性も長期的な視点では大切な要素です。詰め替え可能なユニバーサルデザイン容器を選ぶことで、継続的に使いやすさを維持しながら、廃棄物の削減にも貢献できます。初期費用は少し高くても、長期間使用できる耐久性のある容器を選ぶことで、結果的にコストパフォーマンスが向上します。

また、メンテナンスの簡便性も重要です。分解して洗浄できる構造や、汚れの付きにくい表面処理が施された容器なら、衛生的に長期間使用できます。障害の程度や種類によって清掃作業の負担は大きく変わるため、お手入れしやすさも選択基準に含めることをお勧めします。


※1 ディスペンサー:液体や粉末を適量ずつ出すための器具
※2 明度:色の明るさの度合い
※3 チャイルドロック:子どもが簡単に開けられないよう設計された安全機構